長周期地震動に関する情報について
震度情報の課題
気象庁では、地震発生後直ちに震度情報を発表していますが、震度は地表面付近の比較的短い揺れを対象とした指標で、高層ビル高層階の揺れの程度を表現するのに十分ではありません。
東北地方太平洋沖地震 新潟県中越地震
このため、高層ビル内での的確な防災対応に資することを目的に、概ね14、15階建以上の高層ビルを対象として、長周期地震動に関する情報を提供することとしました。
長周期地震動階級の導入
気象庁では、地震時の人の行動の困難さの程度や、家具や什器の移動・転倒などの被害の程度を基に、長周期地震動による揺れの大きさを4つの階級に区分した長周期地震動階級という指標を新たに導入しました。
【長周期地震動階級関連解説表】
長周期地震動に関する観測情報の発表
長周期地震動階級を用いて、長周期地震動により高層ビル高層階で生じたと見られる揺れの大きさの程度や被害の発生可能性等についてお知らせする長周期地震動に関する観測情報の試行的な提供を平成25年(2013年)3月28日から気象庁ホームページ上にて開始し、平成31年(2019年)3月19日に本運用へ移行しました。また、令和5年(2023年)2月より、新たに長周期地震動に関する観測情報のオンライン配信を開始しました。
長周期地震動に関する観測情報は、施設管理者や低層階の防災センター等が高層階における被害の発生可能性等を認識し、防災対応を行うための判断支援に利用していただくことを想定しています。また、高層階の住民の方々が、震度とは異なる揺れであったことを認識していただくことを想定しています。
【長周期地震動に関する観測情報の発表イメージ】
長周期地震動に関する観測情報は、長周期地震動階級1以上を観測した場合に観測点で観測した長周期地震動階級などを発表する情報で、地震発生から10分程度でオンライン配信するとともに気象庁ホームページに掲載します。また、気象庁の震度観測点で震度3以上を観測する地震が発生した場合、長周期地震動階級や観測された波形等の情報を、長周期地震動の観測結果として、地震発生から20~30分程度で、気象庁ホームページに掲載します。