◆ トピックス ◆
Ⅵ 普及啓発の取り組み
トピックスⅥ-1 広報・普及啓発の取り組み
令和5年(2023年)5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行されたことを受け、オンラインに限定されていた広報イベント等は、順次実地開催に移行し、コロナ禍での経験を踏まえつつ工夫して取り組んでいます。
(1)夏休みこども見学デー
各地の気象台では、防災気象情報の正しい理解と利用を目的として、毎年夏休みの時期に「お天気フェア」を開催しています。ここ数年は、YouTube等を活用したオンライン方式で開催していましたが、令和5年は多くの気象台で実地開催し、一部プログラムではコロナ禍での経験を活かしてオンラインも併用しました。
○虎ノ門に移転して初めて実地開催した「夏休みこども見学デー」
気象庁本庁では、毎年8月に「夏休みこども見学デー」を開催しています。令和5年(2023年)は令和元年(2019年)以来の4年ぶり、虎ノ門に移転してからは初の実地開催となり、2日間で1,273名の方にご来場いただきました。会場では、気象や地震等に関連する実験や工作するブース、イベント会場各所を巡るスタンプラリーのほか、天気予報や地震・火山の情報を発表する各オペレーションルームをめぐる見学ツアー、南極で勤務をする職員とオンラインで会話できる南極中継を実施しました。来場者アンケートでは、9割以上の方が「とても楽しかった」「楽しかった」と回答いただき、大盛況のうちに終えることができました。

(2)はれるんカード
令和4年(2022年)6月より、気象庁の施設を訪れた方が入手できる「はれるんカード」を開始しました。このカードは、施設に掲示されているQRコードから、スマートフォン等を用いてダウンロードできるデジタルカード(画像データ)で、施設の紹介や豆知識を記載しています。
特に、令和6年(2024年)は、はれるん誕生20周年特別版のカードも用意しています。

詳細な情報は以下URLからご覧ください。

(3)ポスターコンクール
気象庁では、本庁庁舎の港区への移転を契機に、港区教育委員会・気象友の会と共催し、令和3年(2021年)よりポスターコンクールを実施しています。ポスター作成をきっかけとして防災について家族で話し合っていただくこと等を目的とし、港区立の小中学生を対象として作品を募集しています。令和5年度(2023年度)は関東大震災から100年を契機として「津波から身を守る」、「緊急地震速報」をテーマにポスターを募集し、約100作品の応募がありました。共催の三者で4賞ずつ計12賞、これに加えて、優秀な作品を入選とし、ポスターの選定を行いました。令和5年度の受賞作品は以下のとおりです。

令和5年度は「地震・津波から身を守る」をテーマに、沖縄県でも県内の小中学生を対象にポスターを募集しました。受賞作品は以下のとおりです。

気象庁では、今年度以降も引き続きコンクールを実施し、小中学生を対象とした防災知識の普及啓発を推進していきます。
トピックスⅥ-2 はれるん誕生20周年
気象庁マスコットキャラクター「はれるん」は、気象庁への親近感をより深め、気象庁の業務に親しみを持っていただくことや気象業務の役割をイメージしてもらうために平成16年(2004年)6月1日に誕生し、令和6年(2024年)で20周年を迎えます。

「太陽」、「雲」、「雨」をモチーフにしたキャラクターで、右手には災害のない調和のとれた社会への祈りを込めた緑色のタクトを持っています。
はれるんは、気象科学館の館長として来館者のみなさまを入口でお迎えしているほか、夏休みには、気象庁本庁や各地の気象台で毎年開催している夏休み子ども見学デーをはじめ様々なイベントに参加しています。イベントでは、多くの子どもたちに気象庁や業務について理解を深めていただきました。

20周年を迎える今年は、より多くの全国の様々なイベントに参加し、子ども達を中心に気象や地象への関心を高め、防災意識を根付かせる取り組みをしていく予定です。
○はれるん誕生20周年記念特設ページ
気象庁ホームページにおいて「はれるん誕生20周年記念特設ページ」を開設しています。このページでは、はれるん誕生20周年に関するお知らせやプロフィール、参加するイベント情報、気象・地象の豆知識などを掲載しています。

○インスタグラムでのはれるんアカウント開設
はれるん誕生20周年を記念し、インスタグラムではれるんアカウント(@harerun_jma)を期間限定で開設しました。ここでは、はれるんのおでかけやイベントへの参加の様子を投稿をしています。

○夏休みこども見学デー(20周年お祝いブース)
令和6年も「こども霞が関見学デー」の一環として、気象庁本庁において「夏休みこども見学デー」を開催する予定であり、今年は、はれるん20周年のお祝いブースの設置も行います。各地の気象台も含め、各種イベントにおいて、20周年記念ステッカーなどのプレゼント企画もあります。これを機会に、親子で気象のしくみ等に興味を持ち、防災意識も高めてもらえるように、様々な仕掛けや工夫を予定しています。

トピックスⅥ-3 気象業務150年へ向けて
気象庁は、東京気象台が当時の赤坂区溜池葵町(現:港区虎ノ門)で明治8年(1875年)に観測業務を開始して以来、令和7年(2025年)で150年の節目を迎えます(図に所在地の変遷を示します)。この節目を迎えるにあたり、様々なイベントなどを企画しています。

(1)気象業務150周年記念広報事業
気象庁では、150年間の気象業務の発展の歴史、これからの気象業務の展望、及び国民の皆様に気象業務に対する理解も深めていただけるような記念ロゴ、キャッチコピーの募集や気象科学館の展示の強化など、各種取り組みを計画しています。詳細は気象庁ホームページなどで随時発信していきます。
(2)気象業務150周年記念式典
国民生活及び産業発展に寄与してきた「気象業務の年」を寿ぐとともに、最新の科学的知見により技術向上に努め、国民の安心・安全及び業務遂行への思いを新たにするため「気象業務150周年記念式典」を開催する準備を進めています。
(3)気象百五十年史(仮称)の編纂
気象庁のこれまでの歩みについては、昭和50年(1975年)にその100年間の功績を「氣象百年史」としてまとめています。それから50年。科学技術は急速に発達し、気象衛星やスーパーコンピュータなどの新たな技術を取り入れながら、気象業務は発展してきました。また、社会から求められる役割の変化に応じて、より活用される情報発信にも取り組んできました。
これらの足跡を「気象百五十年史(仮称)」として編纂する準備を進めています。