津波警報の改善のポイント
巨大地震による津波の規模の過小評価を防止します
津波警報の第一報では、津波の高さは地震の規模や位置を基に推定します。しかし、マグニチュード8を超えるような巨大地震の場合は、精度のよい地震の規模をすぐには把握できません。そこで、地震波の長周期成分の大きさや震度分布の拡がりなどから、巨大な地震の可能性を評価・判定する手法を新たに用意しました。
地震の発生直後、即時に決定した地震の規模が過小であると判定した場合には、その海域における最大級の津波を想定して、 大津波警報や津波警報を発表します。 これにより、津波の高さを小さく予想することを防ぎます。
(長周期成分波形モニター画面)
地震波の長周期成分を取り出し、その振幅の大きさから巨大地震の可能性を判定
「巨大」という言葉を使った大津波警報で、非常事態であることを伝えます
巨大地震が発生した場合は、最初の津波警報(第一報)では、予想される津波の高さを、「巨大」、「高い」という言葉で発表して非常事態であることを伝えます。
「巨大」という言葉で大津波警報が発表された時は、東日本大震災クラスの非常事態であるため、ただちにできる限り高いところへ避難してください!
(巨大地震発生時の津波警報の発表イメージ)巨大地震の発生時は、予想される津波の高さを「巨大」「高い」という言葉で発表します
精度よく地震の規模が求まった場合には、
予想される津波の高さを、1m、3m、5m、10m、10m超の5段階で発表します
巨大地震の場合でも、地震発生から15分ほどで精度のよい地震の規模が把握できます。その時は、予想される津波の高さを「巨大」「高い」という言葉での表現から、5段階の数値での発表に切り替えます。
また、巨大地震ではなく、地震の発生直後から精度よく地震の規模が求まった場合は、初めから5段階の数値で発表します。
予想される津波の高さは、各区分の高い方の値を発表します。
例えば、3~5メートルの津波が予想された場合は、「大津波警報」を発表し、「予想される津波の高さは5m」と発表します。

<参考>津波警報・注意報の分類と、とるべき行動
高い津波が来る前は、津波の高さを「観測中」として発表します
大津波警報や津波警報が発表されている時には、観測された津波の高さを見て、これが最大だと誤解しないように、最大波の津波の高さを数値で表わさずに、「観測中」と発表する場合があります。
津波は何度も繰り返し襲ってきて、あとから来る津波の方が高くなることがあります。
「観測中」と発表された時は、これから高い津波が来ると考えて、安全な場所を離れないでください!
※「観測中」と発表する基準については、津波警報・注意報、津波情報、津波予報についてのページで解説しています。
「観測中」の発表例
沖合で観測された津波の情報をいち早く伝えます
沖合の観測データを監視し、沿岸の観測よりも早く、沖合における津波の観測値と沿岸での推定値を発表します。
このとき、予想よりも高い津波が推定されるときには、ただちに津波警報を更新します。
