火山性地震・火山性微動に関する用語

火山性地震・火山性微動に関する用語

分類 用語 区分 説明
火山性地震 火山体またはその周辺で発生する地震のこと。マグマの動きや熱水の活動等に関連して発生するものや、噴火に伴うものもある。火山によっては火山活動が活発化すると多く発生する傾向がある。
備考 a) 単に「地震」と記載する場合もある。
b) 火山性地震の評価においては、発生回数だけでなく、振幅や火山性地震の型、発生場所なども重要な要素になるため、振幅の大きさや発生場所、必要に応じて火山性地震の型などについても可能な限り記載している。
c) 火山性地震の発生に伴って、その他の観測データにも変化があったかどうか、過去の活動と照らし合わせる等により、火山性地震の発生が意味するところもできるだけ記載している。
d) ノイズや他の現象(噴火時に観測される地震や火山性微動)によって火山性地震を必ずしも全て観測できない可能性があるので、火山性地震の発生が認められない場合は、「発生しなかった」ではなく、「観測されませんでした」または「認められませんでした」を使用している。
爆発地震 火山性地震のうち、マグマに溶けていた気体や水が急激に気化・膨張することにより、周囲の岩石を破壊して、溶岩、破片状の固体物質、火山ガス、またはそれらと火山ガスの混合物が、急激に地表に噴出するような噴火に伴って発生する地震のこと。多くの場合空振を伴う。
波形例 爆発地震
爆発地震の波形例(浅間山)
低周波地震 低周波成分が卓越し、相対的に高周波成分が乏しい地震のこと。P波、S波の相が不明瞭なため震源を求められるのは少数である。火山の周辺で発生する低周波地震としては、火口周辺の比較的浅い場所で発生するものと、火山体等の深い部分で発生するものとがある。プレート境界付近でも低周波地震が発生することが知られている。
備考 a) 低周波地震について、可能な限り「浅い低周波地震」と「深い低周波地震(深部低周波地震)」で区別して記載している。
b) 火口周辺の比較的浅い場所で発生する低周波地震のことを「浅い低周波地震」という。火道内のガスの移動やマグマの発泡などにより発生する場合もあると考えられている。火山によっては、火山活動が活発化すると多く発生する傾向がある。
c) 火山近傍などの地殻の深い場所やモホロビチッチ不連続面付近で発生する低周波地震のことを「深い低周波地震(深部低周波地震)」という。発生原因は不明だが、地下深部のマグマなどの流体の活動と関連している場合もあると考えられている。
波形例 低周波地震
低周波地震の波形例(八丈島)
高周波地震 高周波成分が卓越し、相対的に低周波成分が乏しい地震のこと。P波、S波の相が比較的明瞭で、震源決定は低周波地震に比べて容易である。火山以外で一般的に起こる地震と同様、応力集中による地殻の破壊によって発生するが、火山活動に直接関係する発生原因として、マグマの貫入に伴う火道周辺での岩石破壊などの例がある。
火山性微動 火山体またはその周辺で発生する火山性地震よりも継続時間の長いもの。
震動の始まりと終わりがはっきりしない。
地下のマグマや火山ガス、熱水などの流体の移動や振動が原因と考えられるものや、微小な地震が続けて発生したことによると考えられるものがある。火山活動が活発化した時や火山が噴火した際に多く観測される。振動には振幅や周波数が比較的一定のものと、変化の大きいものがあり、継続時間も極めて短いものから、常時発生しているもの(連続微動)まである。
備考 a) 単に「微動」と記載する場合もある。
b) 火山性微動の評価においては、発生回数だけでなく、振幅や継続時間なども重要な要素になるため、振幅の大きさや継続時間などについても可能な限り記載している。
c) 火山性微動の発生に伴って、その他の観測データにも変化があったかどうか、過去の活動と照らし合わせる等により、火山性微動の発生が意味するところもできるだけ記載している。
d) 概ね30秒以上の継続時間をもつものを火山性微動として記録している。
e) ノイズや他の現象(噴火時に観測される地震や火山性地震の多発)によって火山性微動を必ずしも全て観測できない可能性があるので、火山性微動の発生が認められない場合は、「発生しなかった」ではなく、「観測されませんでした」または「認められませんでした」を使用している。
f) 火山性微動のうち、振動の継続時間の長いものを「連続微動」という。具体的な継続時間の目安はないが、ときには数時間、数日間にわたることもある。
g) 阿蘇山では、火口直下のごく浅い場所で発生する継続時間の短い微動(「孤立型微動」と呼ばれる)が静穏期・活動期を問わず観測される。多発した場合は、やがて連続微動の振幅が増大し、孤立型微動の識別が難しくなる場合がある。孤立型微動は連続微動とは周波数が少し異なる(周波数1Hz~2Hz程度)。
波形例 火山性微動
火山性微動の波形例(御嶽山)
(火山性地震は)
多い(状態)
火山性地震等が最近の活動状況と比較して多いことをあらわす表現。
明確な基準はないが、過去の活動状況から個々の火山で目安を設けている。地震活動を表現する場合には、「活発」と表現している。
(火山性地震は)
やや多い(状態)
火山性地震等が最近の活動状況と比較してやや多いことをあらわす表現。
明確な基準はないが、過去の活動状況から個々の火山で目安を設けている。地震活動を表現する場合には、「やや活発」と表現している。
(火山性地震は)
やや少ない(状態)
火山性地震等が最近の活動状況と比較してやや少ないことをあらわす表現。
明確な基準はないが、過去の活動状況から個々の火山で目安を設けている。地震活動を表現する場合には、「やや低調」と表現している。
(火山性地震は)
少ない(状態)
火山性地震等が最近の活動状況と比較して少ないことをあらわす表現。
明確な基準はないが、過去の活動状況から個々の火山で目安を設けている。地震活動を表現する場合には、「低調」と表現している。
(地震活動が)
活発
備考 地震活動としての評価を記載する際に使用している。
地震活動が活発かどうかは、回数だけでなく、地震の規模や振幅の大きさや振幅の積算なども考慮して評価している。
(地震活動が)
やや活発
備考 地震活動としての評価を記載する際に使用している。
地震活動がやや活発かどうかは、回数だけでなく、地震の規模や振幅の大きさや振幅の積算なども考慮して評価している。
(地震活動が)
やや低調
備考 地震活動としての評価を記載する際に使用している。
地震活動がやや低調かどうかは、回数だけでなく、地震の規模や振幅の大きさや振幅の積算なども考慮して評価している。
(地震活動が)
低調
備考 地震活動としての評価を記載する際に使用している。
地震活動が低調かどうかは、回数だけでなく、地震の規模や振幅の大きさや振幅の積算なども考慮して評価している。