日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震とは
太平洋プレートは日本列島の下に沈み込み、深い海溝を形成しています。房総沖から青森県東方沖の海溝は日本海溝と呼ばれ、十勝沖から択捉島沖及びそれより東の海溝は千島海溝と呼ばれています。
北海道から岩手県の太平洋沿岸地域での、最大の津波によると考えられる津波堆積物の資料から、過去の最大クラスの津波の間隔は約3~4百年であることがわかっています。そして、17世紀の津波からの経過時間を考えると、いずれの領域においても最大クラスの津波の発生が切迫している状況にあると考えられています(日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会(内閣府))。
日本付近のプレートの模式図
日本海溝及び千島海溝沿いの領域では、プレート境界での地震、地殻内や沈み込むプレート内での地震等、マグニチュード7~9の大小さまざまな規模の地震が多数発生しており、幾度となく大きな被害を及ぼしてきました。
日本付近で発生する様々な地震のタイプ
「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震による震源断層モデルと震度分布・津波高等に関する報告書」(日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会(内閣府))
日本海溝・千島海溝沿いの領域では、巨大な地震が繰り返し発生してきました。南海トラフ沿いの地震が過去1300年間にわたる歴史資料があるのに比べ、日本海溝・千島海溝沿いの地震は歴史資料が限られており、869年貞観地震を除くと震源域・波源域が推定できる地震は、日本海溝沿いでは約400年前まで、千島海溝沿いでは約200年前までに限られます。また、これらの推定された震源域等は、図(日本海溝・千島海溝周辺の主な地震)から分かるとおり、近年の地震を除いては明確でないものがほとんどです。
既往地震の波源域分布
「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震による震源断層モデルと震度分布・津波高等に関する報告書」(日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会(内閣府))
日本海溝・千島海溝周辺の主な地震
※縦は西暦年、横は房総沖から色丹島沖及び択捉島沖までの地理的位置を表したもの。各地震の震源断層モデルの位置が,四角で表されている。
「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震による震源断層モデルと震度分布・津波高等に関する報告書」(日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会(内閣府))