噴煙・噴気に関する用語

噴煙・噴気に関する用語

分類 用語 区分 説明
噴煙 火山活動によって火口から上昇する煙状または雲状のもの。火山噴出物、火山ガスおよび周辺大気が混合したもの。
備考 a) 噴煙について記述する際は、噴出場所に関する情報(火口名等)を可能な限り記載している。
b) 気象庁では、火口から出るものを「噴煙」、それ以外の箇所からのものを「噴気」と呼ぶような区別はしていない。
c) 学術的には、火山灰等の固体成分を含む、あるいは含む可能性があるものを「噴煙」とし、火山灰等の固体成分を含まないものを「噴気」とすることもある。
d) 噴煙活動は熱活動のひとつの指標であり、噴煙の高さや量は熱活動の活発さと正の相関がある。
e) 火口から噴出した破片状の固体物質と火山ガスの混合物が、周囲の大気を取り込み低密度となって、大気中を上昇するものを噴煙柱という。噴煙柱の動きを運動量と熱エネルギー保存則をもとに模擬的に記述したものを噴煙柱モデルという。
白色噴煙 白色の噴煙のこと。火山灰などの火山噴出物をほとんど含まないと考えられるもの。
実例 白色噴煙
白色噴煙の例(三宅島(2001/02/22)海上自衛隊館山航空隊の協力による)
有色噴煙 灰色などの白色以外の色がついた噴煙のこと。火山灰などの火山噴出物を含んでいると考えられるもの。
実例 有色噴煙
有色噴煙の例(霧島山(新燃岳))
噴気 火山ガスのこと。
備考 a) 噴気について記述する際は、噴出場所に関する情報(火口名等)を可能な限り記載している。
b) 気象庁では、火口から出るものを「噴煙」、それ以外の箇所からのものを「噴気」と呼ぶような区別はしていない。
c) 学術的には、火山灰等の固体成分を含む、あるいは含む可能性があるものを「噴煙」とし、火山灰等の固体成分を含まないものを「噴気」とすることもある。
実例 噴気
噴気の例(霧島山(えびの高原)(硫黄山)周辺)
噴煙の高さ 原則として、火口の縁または山頂から噴煙直上部の最高点までの垂直距離のこと。一般的に噴煙の高さが高くなったり、噴煙の量が多くなるほど熱活動の活発さと正の相関がある。
備考 a) 単位はmを使用するが、数km以上に達する場合はkmを使用している。
b) 100m未満の場合は10m単位、100m以上の場合は100m単位で記載している。
c) 噴火に関する火山観測報で、噴煙の高さを火口上○○m及び海抜○○フィート(FT)でお知らせしている。1フィートは0.3048m。
d) 噴煙の高さは、気象条件(湿度、気温、風速、風向)によって見え方が異なる。
噴煙量 目視または監視カメラで観測された噴煙の広がりの程度のこと。
備考 a) 噴煙量について記載する場合は、「多い(多量)」、「少ない(少量)」で表現している。
b) 噴煙量について7階級で観測している。
 「1:極めて少量」「2:少量」「3:中量」「4:やや多量」「5:多量」「6:極めて多量」「7:噴煙量6以上の噴火で、噴煙が山体を覆う位に多く噴煙の高さは成層圏まで達したと思われるもの」
噴煙活動 噴煙を放出する活動のこと。
備考 a) 噴煙活動の程度は熱放出量の多少を示す指標となる。
b) 噴煙量や噴煙の高さ、噴出の勢い(噴出圧力)をもとに噴煙活動を評価している。
c) 噴煙活動の状況を記載する場合は、評価の根拠となる噴煙量や噴煙の高さ等をもとに、「活発」「やや活発」「低調」等、現在の噴煙活動の状況を簡潔に表現している。
監視カメラ 噴火・噴煙、降灰等の状況把握を行うために、常時観測火山の近傍に設置しているカメラ及び火口周辺の状況を把握するために設置しているカメラがある。火口周辺に設置したカメラは、設置環境により監視できる範囲が火口付近に限られていることが多い。
夜間でも噴火や噴煙等の状況を把握することが出来る高感度のカメラである。
気象庁では、他機関(大学等研究機関や自治体・防災機関)からのデータ提供も受けて監視をしている。
備考 気象庁の監視カメラの映像について、気象庁ホームページで公開している。
流向 噴煙が流れていく方向のこと。火口付近及び火口上空の風の方向によって決まる。
備考 噴火に関する火山観測報においては、8方向で示し、他に「真上方向」や「不明」がある。
「1.N (北へ)」「2.NE (北東へ)」「3.E (東へ)」「4.SE (南東へ)」「5.S (南へ)」「6.SW (南西へ)」「7.W (西へ)」「8.NW (北西へ)」「9.T (真上へ)」「10.不明」