噴煙量
火山活動とは、地球内部の熱エネルギーが、高温物質の移動という効率的な方法で外部に放出される現象である。そして、活動している火山でみられる噴煙活動とは、高温のマグマから直接に放出された火山ガスまたはマグマの熱により熱せられた地下水等が気化して噴出するものである。
気象庁では、監視カメラや肉眼で噴煙の状態を観測し、噴煙活動の盛衰により火山の浅部の熱的な状態を把握するよう努めている。そして、地震活動や地殻変動等のその他の観測データと総合して、火山活動全体の推移を把握するための判断材料としている。
観測した噴煙の状態は、噴煙の面積S(m2)を用いて、
次の関係式
log10S = 0.358 Q + 4.328
で定義される噴煙量Qを計算し、噴煙量Qの小数点以下を四捨五入して下表のとおり階級分けし、それぞれに量を表す言葉の「多量」「極めて少量」などを当てはめて表現している。
下には、火口縁上からの噴煙の高さ及び幅から、噴煙量階級を見積もるための図を示している。これにより、例えば火口縁上1,000mの高さまで噴煙が上がった場合、幅が200m弱~400m程度までを中量の噴煙と呼ぶことが分かる。