大地震後の地震活動(余震等)について
大きな地震の後には、多くの場合、その近くで引き続いて多数の地震(余震等)が発生します。普段から大きな地震に備えることはもちろんですが、いざ大きな地震が発生した場合には、その後引き続いて発生する地震にも注意する必要があります。気象庁は、最大震度5弱以上が観測された等の大地震が発生した場合に、約1~2時間後から、今後の地震活動の見通しや防災上注意すべきこと等について発表しており、その主なポイントは以下のとおりです。
<大地震後の地震活動に対する防災上のポイント>
- 1週間程度は、最初の大地震の規模と同程度の地震に注意することが基本です。
- 特に、地震発生後2~3日程度は、規模の大きな地震が発生することが多くあります。
- 付近に活断層がある、過去に同程度の規模の地震が続いて発生したことがあるなど、その地域の特徴に応じた呼びかけが発表された場合は、それにも留意してください。
- 最初の地震の強い揺れにより、落石や崖崩れなどが起こりやすくなっている可能性があります。震度6弱など特に強い揺れのあった場合は、これらに加え、家屋の倒壊や土砂災害などの危険性も高まっているおそれがあります。もう強い揺れを伴う地震は起きないとは決して思わず、その後の地震活動や降雨の状況に十分注意し、やむを得ない事情が無い限り危険な場所には立ち入らないなど、身の安全を守る行動を心がけてください。
平成28年(2016年)熊本地震の発生をふまえ、大きな地震の後に引き続く地震活動の様々な事例に対応可能な防災上の呼びかけを行うための指針として、 平成28年8月19日に地震調査研究推進本部地震調査委員会から「大地震後の地震活動の見通しに関する情報のあり方」が公表されました。 大地震が発生した場合には、気象庁はこの指針にもとづき、地震活動の見通しや防災上注意すべきこと等を発表します。
なお、「余震」という言葉は最初の地震よりも規模の大きな地震は発生しないという印象を与えることから、気象庁は同指針の指摘に沿い、 防災上の呼びかけ等においては、さらに規模の大きな地震への注意を怠ることのないよう、「余震」ではなく「地震」という言葉を使用します。
地震調査研究推進本部地震調査委員会(2016):「大地震後の地震活動の見通しに関する情報のあり方」報告書、58p.
大地震後の地震活動(余震等)に関する基礎知識
- 大地震後に、引き続いてその震源近くで地震活動が活発になるのはなぜですか?
- 大地震後は、その震源近くで必ず地震活動が活発になるのですか?
- 大地震後の地震活動のパターンにはどのような種類がありますか?
- 大地震後の地震活動にはどのような性質がありますか?
- 大地震後の地震活動には、いつ頃まで注意すべきでしょうか?
- 最初の大地震と同規模もしくはそれ以上の規模の地震が発生しやすい場所はありますか?
- 過去の大地震後の地震活動はどうでしたか?
気象庁が発表する大地震後の地震活動の見通し
- 私たちはどのような情報に注意すればよいですか?
- 私たちはどのような行動をとればよいですか?
- 気象庁が大地震後の報道発表で解説する地震活動の見通しや防災に関する呼びかけはどんな内容ですか?
- 地震活動の見通しで使われる「余震発生確率」とは何ですか?
- 余震発生確率はどのように計算し、どのように発表するのですか?
- 震度△のとき、揺れの大きさや被害はどの程度になりますか?
- 大地震の後、体に感じる揺れがあったのに地震情報が発表されないことがあるのはなぜですか?
- 大地震の後に発生した地震の回数を知ることはできますか?
- 大地震の後、もう大きな地震の心配がないという安全宣言は出されますか?
よくある質問
本webサイトに掲載されている一部の画像の作成にはGMT(Generic Mapping Tool; Wessel, P. and W. H. F. Smith, New, improved version of Generic Mapping Tools released, EOS Trans. Amer. Geophys. U., Vol. 79 (47), pp. 579, 1998)を使用しています。